読書がしたくて、スタバに行った。

お昼どきで、席は結構埋まってる。

一番奥に二席空いていて、あそこにしようとハンカチを置きに行くと、

ふわっと強い香りが鼻をつく。

なんの匂いかなと思いながら、コーヒーを注文してさっきの席へ。

やっぱり匂いが強い。

香水?柔軟剤?と思いながらふと隣を見ると、

rest roomの扉。

あぁ、芳香剤だ。

コーヒーの香りと混ざって、とても読書できそうにない。

周りを見渡すと、反対側の席がちょっと空いている。

でも、注文カウンターを見ると、席を取っていなさそうな人が何人か並んでいる。

席を移ったら、並んでいる人に迷惑かな?

せっかく取った席だし…

このまま我慢すれば匂いに慣れるかもだし…

その場に留まらせようと、思考が引き止めてくる。

本当は、あっちの席に行きたいのに。

私また、我慢しちゃうクセ出てるな

自分の本当の気持ちより、他人の目を気にしてしまう自分に気づいた。

自分の気持ちを優先してあげたくて、

心の中で、ほら!今!行っちゃえ!と足裏に力を込める。

カップを持ち上げると、持つ手がプルプル震える。

恥ずかしいままそっと立ち上がった。

なんてことはなかった。

当たり前に、誰も見ていなかったし、

席に着くとコーヒーのいい香りに包まれた。

それで、いい気分になって、本のページをめくる指先も軽快になった。

違和感に向き合うたび、少しずつ私らしくなっていく気がする。